売りたいなら、売ろうとしないこと。 17.10.03  (更新: 

売りたいなら、売ろうとしないこと。

"自発的に買いたくなる"環境設計へ

"売らない"とは放置ではありません。見込み客が自分の意思で一歩を踏み出せるよう、判断材料と小さな行動の段差(マイクロコンバージョン)を丁寧に設計することです。

確かに「今すぐ客」は存在しますが、その多くも不安や手間といった"購入摩擦"(保証・比較・納期・決済手段・レビュー)を取り除くほど成約率は上がります。対して多くの見込み客は、競合と比較中か、課題や解決策にすら気づいていません。ここで直球の売り込みは心理的リアクタンス(自律性の侵害への反発)を招きやすく、開封率低下・既読スルー・解除増につながります。

だからこそ、焦って"売る"のではなく、自発性を守る導線安心材料を積み上げ、自然と「買ってもよさそうだ」と思える土台を整えます。

リアクタンスを避けるコミュニケーション

  • 選択肢を与える:頻度を選べる案内(月1/隔月/停止可)。「興味がある時だけでOK」という自主性の言語化。
  • オプトダウン:完全停止の前に「重要なお知らせのみ」に切り替え可能。
  • 比較・第三者情報:自社の"推し"ではなく、比較表・レビュー・導入事例・FAQで判断材料を提供。
  • 所要時間とリスク明示:「所要60秒」「登録不要」「いつでも解約可」「全額返金保証」などの安心を先に提示。

※単純接触(ザイオンス効果)は初期印象や内容価値が低いと逆効果。頻度より"価値密度"が重要です。

ナーチャリングの基本設計(行動データ起点)

ナーチャリングは「信頼づくり+情報提供」に加え、行動データをもとに段階を進める設計がいまの標準です。

  • マイクロCVの階段
    資料DL → 事例閲覧 → 比較表閲覧 → 価格概算 → デモ動画 → 短時間相談(15分) → 本商談予約
  • シナリオとスコアリング:行動(閲覧/再訪/滞在/スクロール/問い合わせ)に点数を付与し、しきい値でトリガー配信。
  • セグメント配信:業種・規模・導入目的で出し分け。B2Cなら会員ID/LINE ID等の"疑似リード"も活用。
  • 法令配慮:オプトイン取得、配信停止導線明示、個人情報の取り扱いを簡潔に記載。

例:そのまま使える文例:「ご案内は月1回・重要なお知らせのみです(いつでも配信停止)。気になるときだけご覧ください。」

"売らないオファー"から始める(No/Soft/Hard の3層)

  • No-Sell(価値の先出し):チェックリスト、診断ツール、テンプレ、ベンチマーク、トレンドレポート
  • Soft-Sell(軽い参加):5分デモ動画、ミニウェビナー、無料相談15分、体験版
  • Hard-Sell(意思確定):見積依頼、商談予約、申し込み

各段に「所要時間」「必要情報」「解除・返金・キャンセル条件」をセットで提示し、"言い訳(安心材料)"を用意すると前進しやすくなります。

需要を守るためのデ・マーケティング(健全運用)

デ・マーケティングは「売上拡大の逆」ではなく、供給能力と体験品質を守るための需要調整です。代表的な活用は次の3つ:

  • 一般的デ・マーケティング:全体需要の抑制(キャパ超過時のウェイトリスト、着手時期明示、単価調整、セルフサービス案内)
  • 選択的デ・マーケティング:不適合セグメントの抑制(ICP公開、適合条件の明記、条件外には提携先を紹介)
  • 表面的デ・マーケティング:供給不足の演出で希少性を煽る――倫理的に不可・非推奨

掲示例:「現在の着手枠は月◯社。対応可能条件(業種/規模/納期)に合致する案件から順にご案内します。条件外の方には提携先をご紹介します。」

認知段階別メッセージ例(E.シュワルツ準拠)

  • 未認知:放置で生じる"見えないコスト"を60秒診断(登録不要)
  • 課題認知:同業の失敗3例と回避チェックリスト(PDF・全12頁)
  • 解決策認知:A案/B案/C案の比較表(更新日明記・中立的比較)
  • 商品認知:30日返金保証/解約は1クリック/導入サポート付き
  • 今すぐ購入:最短◯日納品/在庫◯/本日中の注文で××特典

KPIと改善ループ("売らない設計"の測り方)

  • 先行KPI:開封率/クリック率、資料DL率、比較表閲覧率、診断完遂率、LINE追加率、動画完視率
  • 中間KPI:MQL→SQL転換、初回商談率、デモ完遂率、見積返信率
  • 最終KPI:受注率、LTV、解約率、NPS、紹介率

否定理由(「高い」「難しそう」「社内稟議が...」)をログ化し、FAQ・保証・UI・価格設計に即反映。改善は"反論処理"ではなく摩擦除去の設計更新として回します。

まとめ

人は"売りつけられる感"に反発します。だからこそ、自発性を守る情報設計と小さな一歩の準備がCVRを押し上げ、解約や解除も抑えます。需要過多の局面では、ウェイトリストや適合条件の公開といった健全なデ・マーケティングで体験品質を守ることが、中長期での売上とLTVを最大化します。

"売らない設計"=買う理由と安心を積み重ねること。焦らずに、しかし構造的に売れる土台を整えましょう。

(※本ページはプロモーションが含まれています。)

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