- HOME >
- WEBマーケティング >
- 【保存版】LTVの計算方法と広告費の予算の決め方|CPA・回収期間まで一発でわかる
たとえば、1,000部のチラシを作って配り、制作・印刷・配布などの総コストが30万円。配布後に10件の新規受注が取れたなら、CPA(顧客獲得単価)は3万円です。
一方で、Webのリスティング広告に4万円投下して10件取れたなら、CPAは4,000円。数字だけ見ると「チラシは高い、Webは安い」と判断しがちです。
でもここに落とし穴。"今この1回の売上"だけで採算を見ると、広告費はすぐ「高い・安い」の話になり、予算を絞って成長が止まることが多いのです。本当に見るべきは、お客様がその後どれだけ買い続け、合計いくらの粗利を生むか=LTV(顧客生涯価値)。広告費は「今すぐ黒字か」ではなく、LTVで回収できるかで決めるのが正解です。
広告費は「今すぐ黒字か」ではなく、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)で回収できるかで決めます。この記事では、LTVの計算方法と、そこから逆算した許容CPA(獲得単価)と月間広告予算の決め方を、非サブスク/サブスクの両パターンで解説します。
商品価格より高い広告費でも利益が出る"日常例"
ポイントは「初回は赤字でも、LTV(粗利)で回収できる設計かどうか」。Web以下、身近な4例です。
カミソリ本体+替刃(サブスク型)
- 広告費(CAC):800円(本体価格500円より高い)
- 初回粗利:本体500円−原価300円=200円 → 初回損益:200−800=−600円
- 替刃:1,200円/月、粗利率約67% → 粗利800円/月 × 継続3ヶ月=2,400円
累計:−600+2,400=+1,800円(3ヶ月で黒転)。
カフェの初回クーポン(来店リピート)
- 広告費(新規1人):600円 / ドリンク価格:450円
- 1杯の粗利:450−原価150=300円 → 初回損益:300−600=−300円
- リピート:40%が平均4回再来店 → 期待粗利=0.4×4×300=480円
累計:−300+480=+180円(2ヶ月で回収見込み)。
SaaS(月額課金)
- 広告費(CAC):2,500円(月額1,000円より高い)
- 粗利:月額1,000円×粗利率80%=800円/月
- 平均継続:6ヶ月 → LTV(粗利)=800×6=4,800円
累計:4,800−2,500=+2,300円(ペイバック約3.1ヶ月)。
プリンタ本体+インク(消耗品)
- 広告費(CAC):5,000円 / 本体価格:4,000円
- 本体粗利:10%=400円 → 初回損益:400−5,000=−4,600円
- インク:粗利600円/月 × 12ヶ月=7,200円
累計:−4,600+7,200=+2,600円(回収約7.7ヶ月)。
この戦略が『アリ』になる条件
- 高い粗利 or 継続購入が見込める(サブスク/消耗品/定期来店)。
- ペイバック期間が資金繰りに耐えられる(例:≤6ヶ月)。
- 実測のリピート率・解約率でLTVを更新(机上の空論にしない)。
クイック試算テンプレ
初回粗利 − 広告費 +(月次粗利 × 継続月数)= LTV損益
広告費 ÷ 月次粗利 = ペイバック月数
前提整理:用語と考え方
- CPA/CAC:1件の新規顧客獲得にかけられる費用。
- 粗利:売上 − 変動費(原価・手数料・配送)。LTVは粗利ベースで計算するのが実務。
- ペイバック期間:広告費の回収に許容する期間(例:3ヶ月・6ヶ月)。資金繰りに直結。
この3点が定まると、許容CPA → クリック単価(CPC) → 月間予算まで一直線で決まります。
LTVの計算方法(3つの型)
① 非サブスク(単発購入+リピート)
LTV(粗利)= 平均粗利単価 × 平均購入回数
※平均購入回数=初回購入 1回 + リピート回数(一定期間)
より丁寧にやるなら、コホート(獲得月ごと)で「月次リピート率×客単価×粗利率」を足し上げます。
② サブスク(月額課金)
LTV(粗利)= ARPU(月間平均売上) × 粗利率 × 平均継続月数
かつ、平均継続月数 ≒ 1 ÷ 月次解約率(チャーン)
例:ARPU 3,000円、粗利率70%、月次解約3% → 平均継続 ≒ 33.3ヶ月 → LTV≒ 3,000×0.7×33.3=約70,000円。
③ 混合(初期費+月額)
LTV(粗利)= 初期粗利 +(月額×粗利率×平均継続月数)
コホートで見る簡易LTV(例:6ヶ月)
下の表は、1,000人を獲得し、平均客単価4,000円、粗利率60%、月次リピート率を段階的に仮置きした場合の「累計LTV(粗利)」の推移例です。
| 月 | 購買人数 | 1人あたり粗利 | 月粗利 | 累計LTV(1人あたり) |
|---|---|---|---|---|
| 初月 | 1,000 | 2,400円(=4,000×0.6) | 2,400,000円 | 2,400円 |
| 2ヶ月目 | 400(40%リピート) | 2,400円 | 960,000円 | 3,360円 |
| 3ヶ月目 | 250(25%) | 2,400円 | 600,000円 | 3,960円 |
| 4ヶ月目 | 150(15%) | 2,400円 | 360,000円 | 4,320円 |
| 5ヶ月目 | 100(10%) | 2,400円 | 240,000円 | 4,560円 |
| 6ヶ月目 | 80(8%) | 2,400円 | 192,000円 | 4,752円 |
この例では、6ヶ月で1人あたり粗利ベースのLTVが4,752円。この範囲で許容CPAを決めるのが現実的です。
許容CPA(獲得単価)の決め方
許容CPA = LTV(粗利)× 取得に回せる比率 − 維持/配送などの追加コスト
取得に回せる比率の目安:
- 短期回収(〜3ヶ月):40~60%(キャッシュ重視)
- 中期回収(〜6ヶ月):60~80%(成長と両立)
- 長期回収(〜12ヶ月):80~100%(資金に余裕があるケース)
例(上表のLTV=4,752円、比率70%、追加コスト0円):許容CPA ≒ 3,326円。このCPAを達成できるよう、入札・ターゲティング・LPを設計します。
広告費の予算の決め方(5ステップ)
- LTVを確定(粗利ベース・回収期間を明示)。
- 許容CPAを算出(上記式)。
- 月間獲得目標を設定(例:新規300件)。
- 月間広告予算=許容CPA×獲得目標(例:3,326円×300=約100万円)。
- 資金繰りチェック:ペイバック期間に対して現金の余力を確認。必要なら獲得目標やチャネル配分を調整。
実運用では、獲得効率の良いチャネル(指名検索・リマーケ)から枠を埋め、徐々に上流(比較・認知)へ拡張するとリスクが下がります。
CPCとCVRから逆算する(入札/クリエイティブの目安)
CPA ≒ CPC ÷ CVR → 許容CPAが決まれば、目標CPC ≒ 許容CPA × CVR
例:許容CPA 3,326円、LP CVR 2.0% → 目標CPC ≒ 66.5円。これを上回るなら、CVR改善(A/Bテスト)か入札/面の見直しが必要です。
なお、CVR改善の具体策は下記で詳しく解説しています。
よくある落とし穴
- 売上ベースのLTVで計算:必ず粗利ベースに。
- ペイバック期間の未定義: "そのうち回収"は資金ショートの元。
- オーガニック混入:広告のCPAは広告経由のみで計算(重複除去)。
- 解約/返品の未反映:チャーン・返品率を差し引いた実質LTVを使う。
- チャネル混同:指名検索と純新規を分けて管理(許容CPAも別)。
ダッシュボードの最小構成
- 新規獲得数/CPA(チャネル別)
- 初月粗利・累計粗利(獲得月コホート)
- 月次解約率(サブスク)/リピート率(非サブスク)
- ペイバック残高(未回収広告費)
この4つが見えていれば、"増やす/止める/改善する"の判断がぶれません。
まとめ:LTV→CPA→予算の順で決める
「いくらならクリックできるか」ではなく、「いくらまで獲得しても利益が残るか」から逆算しましょう。LTVを粗利ベースで算出 → 許容CPAを設定 → 月間獲得目標で予算化。あとは、LPと広告のA/BテストでCVRを上げ、目標CPCのレンジを広げていけば、売上の伸びと利益の両立が見えてきます。
よくある質問(FAQ)
Q. LTVの計算方法はどれを使えばいい?
A. 基本は粗利ベースで、非サブスクは「平均粗利単価×平均購入回数」、サブスクは「ARPU×粗利率×平均継続月数(≈1÷月次解約率)」が実務的です。
Q. 広告費の予算の決め方が分かりません。
A. まずLTV→許容CPAを出し、月間獲得目標と掛け算します(例:許容CPA3,300円×300件=約100万円)。ペイバック期間に対して資金余力を必ず確認してください。
Q. 初回赤字でも大丈夫?
A. ペイバック期間内に黒転し、チャーン/返品を織り込んだ実測LTVで上回れるなら問題ありません。回収が遅い場合はCVR改善やチャネル配分の見直しを。
(※本ページはプロモーションが含まれています。)
- 広告
- 広告






