WordPressサーバー移行|ドメインそのまま(URLを変えずに)移す手順と注意点 26.02.20  (更新: 

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「WordPressを別サーバーへ移したいけど、ドメインはそのまま(URLを変えずに)運用したい」----このケースで押さえるべき核心は、サイトを新サーバーに"複製して先に動作確認"→最後にDNS(Aレコード等)を切り替える、という流れです。

本記事では、移行当日に慌てないための事前準備、停止時間(ダウンタイム)を最小化する手順、DNS切替の見方、切替後のチェック項目、よくあるトラブルの原因と対処までを、初心者でも手順通りに進められる形でまとめます。

なお、メール(MX)やサブドメイン運用、マルチサイトなどは落とし穴が増えます。該当する方は、目次の該当箇所を先に確認しつつ、必ずフルバックアップを取ってから進めてください。

全体の手順(チェックリスト)を先に確認したい方は下記記事をご覧ください。

サーバー移行(引っ越し・移転)の手順を完全解説|失敗しない全体像とチェックリスト

作業が不安な方、代行/相談の注意点などは下記記事をご覧ください。

サーバー移転代行|WordPress・メール・DNS/SSLまで一括対応

目次

結論:ドメインそのまま移行は「DNS切替」が要点

WordPressを別サーバーへ移しても、ドメイン(URL)を変えずに運用を継続できます。結論から言うと、要点は「DNS(Aレコード等)を新サーバーへ向ける」ことです。URLが変わらないのはWordPressの設定ではなく、そのドメインが"どのサーバーを指すか"を決めるDNSが握っているためです。

失敗しやすいのは「先にDNSを切り替えてから新サーバーで調整する」進め方。安全なのは、新サーバー側にサイトを複製して先に動作確認し、問題がない状態を作ってからDNSを切り替える流れです。これで停止時間(ダウンタイム)とトラブルを最小化できます。

  • DNS切替=公開先の変更(URLは同じでも"置き場"を変える)
  • 先に新サーバーで完成形を作る(複製→確認→修正)
  • 最後にDNSを切り替える(浸透中は旧/新が混在する前提)

移行パターン(通常サイト/サブドメイン/マルチサイト)

「ドメインそのまま移行」と言っても、サイト構成によって確認ポイントが変わります。まずはご自身がどのパターンかを把握しましょう。基本はどれもDNS切替で公開先を切り替える点は同じですが、レコードの種類や影響範囲が変わります。

特に、サブドメインやマルチサイトは、メインドメインだけ切り替えても一部が旧サーバーに残ることがあります。移行前に「どのホスト名(wwwあり/なし、sub.example.com など)が、どのDNSレコードで管理されているか」を洗い出すのが安全です。

  • 通常サイト:example.com(+www)のみ。切替対象が少なく比較的シンプル。
  • サブドメイン運用:blog.example.com などが別レコード。サブドメインも切替が必要な場合あり。
  • マルチサイト:サブディレクトリ型/サブドメイン型で要点が変わる。特にサブドメイン型はDNS側の影響が大きい。
  • メールも同じドメインで運用:DNSにMX/SPF/DKIM/DMARC等があり、触る範囲を誤るとメール障害に繋がる。

作業時間の目安と停止時間を減らす考え方

移行作業は「データ移行」「動作確認」「DNS切替」「切替後チェック」に分けると整理しやすく、停止時間を短くできます。停止が発生しやすいのは、主にDNS切替直前〜切替後の確認のタイミングです。

停止時間を減らすコツは、DNS切替より前に新サーバー側で確認を終えておくこと。例えば hosts を使ってURLを変えずにテストしたり、TTLを事前に短くしてDNSの浸透を早めたりすると、当日のリスクが下がります。

  • 事前(30分〜):現状把握、バックアップ取得、TTL短縮(反映はDNS事業者次第)
  • 移行(30分〜数時間):ファイル/DBコピー、wp-config.php調整、権限・PHP/DB設定
  • 事前テスト(30分〜):hosts等で表示/ログイン/フォーム/画像/SSL周りを確認
  • DNS切替(数分):レコード変更自体は短時間。ただし浸透まで時間差あり
  • 切替後チェック(30分〜):表示/管理画面/メール/計測/リダイレクト等を再確認

事前準備:現状把握とバックアップ

WordPressのサーバー移行で失敗が起きる原因の多くは、移行作業そのものよりも「事前に把握すべき情報が抜けていた」ことにあります。移行は基本的に「新サーバーへ複製して、最後にDNSを切り替える」だけですが、現状の構成(ドメイン、SSL、メール、プラグイン、特殊設定)が分からないまま進めると、切替後に思わぬ不具合が出ます。

まずやるべきは、現状把握(チェックリスト化)と、いつでも戻せるようにフルバックアップを取ること。これだけで移行の成功率が大きく上がり、当日の焦りが減ります。

  • 現状把握:いま何がどこで動いているか(サーバー/DNS/メール/SSL/WordPress構成)を整理する
  • バックアップ:失敗しても元に戻せる状態を作る(DB+ファイル+設定)
  • 事前調整:TTL短縮や作業時間帯の確保など、切替当日のリスクを減らす

現サーバー情報・WordPress環境の確認リスト

まずは「どこで何が管理されているか」を洗い出します。特に重要なのが、DNSの管理者(どのサービスでレコード編集しているか)と、現在のサーバー情報(PHP/DB/ディレクトリ構造)です。ここが曖昧だと、移行後に「DNSを触れない」「DBに繋がらない」「PHPのバージョン違いでエラー」などが起きがちです。

下記は、移行前にメモしておくと強い項目です。分からないものがあってもOKですが、分からない項目を"分からない"と把握することが重要です(必要ならサーバー会社に確認できます)。

  • 対象ドメイン:example.com / wwwありなし / サブドメイン(blog. など)
  • DNS管理:どこでレコード編集しているか(ドメイン会社・レンタルサーバー・DNS専用サービス等)
  • 現サーバーの接続情報:管理画面URL、FTP/SFTP、SSH(使えるか)、ユーザー情報
  • WordPress設置場所:公開ディレクトリ(public_html 等)とドキュメントルート
  • PHP:バージョン、拡張モジュール、memory_limit 等の制限
  • DB:MySQL/MariaDB種別、バージョン、DB名/ユーザー/ホスト
  • SSL:Let's Encryptか、有料証明書か、更新方法
  • メール運用:同ドメインでメールを使っているか(MX/SPF/DKIM/DMARCがあるか)
  • 特殊構成:WAF、BASIC認証、キャッシュ系、CDN(Cloudflare等)、マルチサイト
  • 重要プラグイン:キャッシュ/セキュリティ/フォーム/会員機能など

フルバックアップ(DB+wp-content+設定)

移行前に必ずやっておきたいのが、「WordPressを丸ごと復元できるバックアップ」です。バックアップは「念のため」ではなく、移行作業の一部。もし新サーバーでうまく動かなくても、バックアップがあれば落ち着いてやり直せます。

最低限必要なのは、データベースと、WordPressファイル一式(特に wp-content)、そして設定情報です。バックアップを取ったら、ファイルサイズや作成日時を確認し、可能なら別の場所(PC+クラウド等)にも保管しておきましょう。

  • DBバックアップ:記事・固定ページ・設定・ユーザー情報など(エクスポート)
  • ファイル:WordPress本体+テーマ+プラグイン+アップロード画像(特に wp-content)
  • wp-config.php:DB接続情報やキー類の控え(移行先で書き換えに使う)
  • .htaccess / nginx設定相当:リダイレクトやBASIC認証があれば必ず控える

TTL短縮・メンテナンス案内・作業環境の整備

DNS切替の直前直後は、アクセス先が旧サーバーと新サーバーで一時的に混在します。ここで「編集した内容が消えた」「注文や問い合わせが二重になった」などが起きないように、事前に打てる手を打っておくのが安全です。

特に効果が大きいのがTTLの短縮です。TTLを短くしておくと、DNS切替後の反映(浸透)にかかる時間を短縮でき、混在時間を減らせます。合わせて、作業時間帯の確保、管理画面のログイン情報整理、必要ならメンテナンス告知も準備しておきましょう。

  • TTLを短くする:前日〜数日前に短縮しておくと切替がスムーズ(戻すのは移行完了後)
  • 作業時間帯を決める:アクセスが少ない時間に実施し、切替後チェックの時間も確保する
  • 書き込みを止める準備:移行直前は投稿更新・フォーム受付など"データが増える動き"を避ける
  • ログイン情報の整理:現サーバー/新サーバー/DNS管理/WordPress管理画面のID・PWを確認
  • 確認環境を用意:PCとスマホ、別回線、シークレット窓、DNS確認ツール等でチェックできるようにする

移行手順(王道):新サーバーに複製→動作確認→DNS切替

ドメイン(URL)を変えずにWordPressを移行する王道手順は、「新サーバーに複製して先に完成形を作る」→「URLを変えずに動作確認する」→「最後にDNSを切り替える」の順番です。

この流れにすると、DNS切替の前に不具合を潰し切れるため、切替当日にやることが「切り替える」「最終チェックする」に絞れます。結果として、停止時間(ダウンタイム)とトラブルの両方を最小化できます。

  • 新サーバーの受け皿を用意(PHP/DB/ドメイン設定など)
  • データを複製(WordPressファイル+DB)
  • DNS切替前に動作確認(hosts等でURLを変えずにテスト)
  • SSL/HTTPSとリダイレクト整備(本番想定の状態にする)
  • 問題がなければDNS切替(次章)

新サーバーでWordPressの受け皿を用意(PHP/MySQL/権限)

まずは新サーバー側に「サイトを置ける状態」を作ります。ここで大事なのは、現サーバーの環境にできるだけ寄せることです。特にPHPのバージョンが大きく違うと、移行後にエラー(真っ白・500)になりやすいので注意してください。

また、移行後のトラブルは「データのコピー」よりも、DB接続設定・権限・公開ディレクトリのズレで起きがちです。次のチェックを満たす状態まで整えてから、データ移行に進みましょう。

  • ドメイン設定:新サーバーに対象ドメイン(wwwあり/なし)を登録し、ドキュメントルートを確認
  • PHP:現サーバーに近いバージョンに設定(必要なら拡張モジュールも確認)
  • DB作成:MySQL/MariaDBでデータベース、ユーザー、パスワードを作成
  • 権限:wp-content配下(uploads等)が書き込み可能になるように権限を調整
  • セキュリティ設定:WAFやアクセス制限が強い場合、移行中にブロックされないよう一時調整も検討

データ移行(プラグイン/手動:FTP+SQL)

WordPress移行でコピーすべきものは大きく2つだけです。「WordPressのファイル一式(特にwp-content)」と、「データベース(DB)」。この2つが揃えば、基本的に同じサイトを再現できます。

移行方法は「プラグインで一括」か「手動(FTP+SQL)」のどちらかです。どちらが正解というより、サイト規模・サーバー制限・作業に慣れているかで選ぶのが安全です。

  • プラグイン移行:操作が簡単。サーバーのアップロード容量や実行時間制限に注意。
  • 手動移行(FTP+SQL):確実性が高い。DBのエクスポート/インポートとwp-config.php調整が要点。

どちらの方法でも、移行後に最初に確認すべきはDB接続管理画面ログインです。新サーバー側のwp-config.phpに、新しいDB名・ユーザー・パスワード・ホスト名が正しく入っているかを確認し、表示できない場合はここから見直します。

なお「ドメインそのまま移行」では、基本的にURLを変更する必要はありません。テストのために一時的なURLへ置き換えると、後で戻し漏れ(リンク・画像・シリアライズデータ)が出やすいので、できる限りURLは触らず、次の「hostsで先行確認」で動作チェックするのが安全です。

  • 必須:DB(記事・設定・ユーザー)/wp-content(テーマ・プラグイン・画像)
  • 重要:wp-config.php(DB接続情報)/.htaccess等(リダイレクト・認証設定)
  • 注意:キャッシュ系・セキュリティ系プラグインは移行直後に一時停止すると切り分けが楽

hostsで先行確認(URLは変えずにテスト)

DNSを切り替える前に、新サーバー上のサイトを確認する代表的な方法がhosts(ホストファイル)です。自分のPCだけ「example.comは新サーバーのIPへ行く」と仮指定できるため、URLを変えずに本番に近い形で表示・ログイン・動作確認ができます。

ここでの注意点は、hostsを設定している間は「自分だけ新サーバーを見ている」状態になることです。フォーム送信や注文など、データが増える操作をテストで行うと、DNS切替後にデータ不整合が起きることがあります。テストは「表示・ログイン・画像・リンク・管理画面操作」中心にし、必要ならテスト用の一時フォームなどで確認しましょう。

  • 確認したい項目:トップ表示、下層ページ、画像、404、管理画面ログイン、投稿編集、プラグイン動作
  • 注意:テスト中に本番データを書き込まない(フォーム/注文/会員登録など)
  • テスト後:hostsの設定は必ず元に戻す(戻し忘れがトラブルの元)

SSL(Let's Encrypt)とHTTPS化・リダイレクト

新サーバーで動作確認ができたら、SSL(HTTPS)も本番同様に整えておきます。DNS切替後に慌てやすいのが「証明書がまだでhttpsがエラー」「http/httpsやwwwあり/なしが混在して表示が崩れる」などのパターンです。切替前にHTTPS運用まで完成させておくと安心です。

Let's Encryptを使う場合は、新サーバー側で証明書を発行し、http→https、必要に応じてwwwあり→なし(または逆)のリダイレクト方針も決めて統一します。移行前にHSTSを入れていたり、CDN(例:Cloudflare)を使っている場合は、設定の整合が取れているかも要チェックです。

  • SSLの対象:example.com と www.example.com の両方が必要か確認
  • 統一方針:http→https、wwwの有無、末尾スラッシュ等を統一(SEOと運用のため)
  • 混在コンテンツ:画像やCSSがhttpのままだと警告が出るため、切替前に気づけると安全
  • キャッシュ:HTTPS化後はキャッシュや最適化系の影響で表示差が出ることがあるため、確認時は一時停止も検討

DNS切替の実務:A/AAAA/CNAMEと反映確認

DNS切替は「難しそう」に見えますが、WordPress移行の文脈でやることはシンプルに"参照先を新サーバーへ変える"だけです。重要なのは、触る行を間違えないことと、切替後に浸透(反映)まで混在が起きる前提でチェックすることです。

ここでは「WordPressをURLそのままで移すために必要な最低限のDNS切替」だけに絞って解説します。DNSの仕組みや、ネームサーバー変更・ドメイン移管との違いなどは、別記事「サーバー移転のドメイン設定」で詳しく扱う想定で、ここでは深掘りしません。

  • DNS切替でやること:対象ドメイン(wwwあり/なし等)の参照先を新サーバーへ変更する
  • 触らないこと:メール系(MX/TXT等)や関係ないサブドメインのレコードは基本そのまま
  • 切替後にやること:浸透中の混在を前提に、複数回線で到達先と動作を確認する

DNSレコードの見方と変更箇所

まずはDNS管理画面で、「どのホスト名(example.com / www / サブドメイン)が、どこを向いているか」を確認します。WordPress移行で変更対象になりやすいのは、ルートドメイン(example.com)と、www(www.example.com)です。

新サーバー側の案内には、たいてい「設定すべき値」が明記されています。ここで大事なのは、案内された値を"該当する行だけ"にコピペすること。分からない行やメール系の行まで触ると、移行は成功してもメールが止まるなど別事故につながります。

  • 現状のDNSを控える:変更前の画面をスクショ、または内容をメモ(戻せるようにする)
  • 対象ホスト名を特定:example.com(@や空欄表記の場合あり)と www の行を探す
  • 新サーバーの指示通りに変更:案内がIPならA(/AAAA)、案内がホスト名ならCNAMEを更新する
  • 余計な行は触らない:MX、TXT(SPF/DKIM/DMARC)、不要なサブドメインは原則そのまま
  • 保存して反映待ち:保存後は次項の手順で到達先を確認する

もし「wwwだけ表示されない」「サブドメインだけ旧サーバーのまま」などが起きたら、ほとんどの場合は切替対象のホスト名が漏れているか、wwwの参照先(CNAME等)が旧のままです。まずは"どのホスト名を切り替えたか"を見直してください。

浸透中に起きる"混在アクセス"への対策

DNS切替後はすぐに全員が新サーバーへ行くわけではなく、一定時間は旧サーバーに到達する人/新サーバーに到達する人が混在します。ここで困るのが、フォーム送信や注文など「データが増える」サイトです。混在中に旧側で受けた送信が、新側に反映されず取りこぼしになる可能性があります。

そのため、切替の時間帯はアクセスが少ない時間にし、必要なら一時的に「更新・送信を止める」運用を取ります。移行当日に焦らないためにも、混在を前提に"確認の段取り"を決めておくのが安全です。

  • 投稿更新・フォーム受付を控える:切替直前〜浸透が落ち着くまで、書き込み系の操作は最小化
  • 複数回線で確認:PC/スマホ、別回線、シークレット窓などで表示先が切り替わったかを見る
  • 到達先の判定を用意:新サーバー側だけに「目印(テスト文言等)」を入れて確認すると迷いにくい
  • 旧サーバーはすぐ解約しない:浸透完了と機能確認が取れるまで残す(取りこぼし防止)

もし切替後に「表示が安定しない」「環境によって見える内容が違う」と感じたら、まずはDNS浸透中の混在を疑ってください。そのうえで、次章の「切替後チェック(表示・管理画面・メール・SEO)」を順に確認すれば、移行の不安を潰しやすくなります。

DNSの用語や、ネームサーバー変更・移管との違いまで含めて整理したい方は、下記記事を参考にしてください。

サーバー移転のドメイン設定|DNS切替・ネームサーバー変更・移管の違いと手順

切替後チェック:表示・管理画面・メール・SEO

DNS切替が完了したら、最後は「問題がないことを確認して移行を確定」するフェーズです。ここでのポイントは、トップページが見えるかどうかだけで判断しないこと。移行直後は、キャッシュやHTTPS設定、権限、プラグインの影響で「一部だけ壊れている」ことがよくあります。

またDNS浸透中は旧/新が混在するため、チェックは複数回線(PC/スマホ、別回線、シークレット窓)で行い、必要なら旧サーバーのログも見て「取りこぼしがないか」を確認します。以下の観点で順番に潰していけば、移行後の不安はかなり減ります。

  • 表示(フロント):見た目・リンク・画像・404
  • 管理画面:ログイン・投稿更新・メディア・プラグイン
  • メール/フォーム:通知メール・SMTP・到達確認
  • SEO/計測:Search Console・GA4・タグ類・canonical・noindex

表示崩れ/404/パーマリンク/画像の確認

まずはユーザーが見る画面(フロント)の確認です。移行直後に多いのが、CSS/JSが読み込めず崩れる一部ページが404画像だけ表示されないといった症状です。原因はキャッシュ、権限、HTTPS混在、パーマリンク設定の未反映など、複合しやすいので「よく見るページから順に」チェックします。

特に404は「記事が消えた」のではなく、パーマリンク(リライトルール)が効いていないだけのことが多いです。管理画面でパーマリンク設定を開いて保存(変更しなくてもOK)するだけで復旧するケースもあります。

  • トップ/主要下層/カテゴリ:最低でも10ページ程度を目視確認
  • 画像:アイキャッチ、ギャラリー、背景画像、ロゴが表示されるか
  • CSS/JS:表示崩れがないか、コンソールエラーが出ていないか
  • 404:主要URLで発生していないか(必要ならパーマリンク再保存)
  • HTTPS:http/https、wwwあり/なしが混在していないか(鍵マーク確認)

メール(MX/送信SMTP)・フォーム・通知の確認

次に重要なのが「問い合わせが届かない」事故を防ぐチェックです。WordPress移行では通常、DNSのMX(受信)設定は触りませんが、フォームプラグインやSMTP設定、サーバー側のメール送信制限が変わることで、通知メールだけ届かなくなることがあります。

ここは必ず、実際にフォーム送信して確認してください。送信者(ユーザー側の自動返信)と、管理者(運営側の通知)の両方が届くか、迷惑メールフォルダに入っていないかまでチェックするのが安全です。ECや会員サイトなら、注文メール・登録メールなども同様に確認します。

  • フォーム送信テスト:自動返信/管理者通知が届くか(複数アドレスで確認)
  • SMTP設定:プラグインを使っている場合、接続・認証が維持されているか
  • 送信制限:新サーバーのWAFやセキュリティでブロックされていないか
  • メールDNS:MX/SPF/DKIM/DMARCを誤って変更していないか念のため確認

メール移行や、送受信できない原因の切り分け・IMAP/SMTP設定まで詳しく確認したい方は下記記事を参考にしてください。

サーバー移転のメール移行|送受信できない原因と設定手順(IMAP/SMTP)

Search Console/GA4/広告タグの確認

最後に、SEOと計測まわりの確認です。URLが変わらない移行でも、サーバーが変わることで「タグが読み込まれていない」「noindexが付いた」「canonicalが崩れた」などが起きると、順位や計測に影響します。移行直後は、まず意図しない設定になっていないかの確認が最優先です。

Search Consoleは、カバレッジ(インデックス)やクロールエラーだけでなく、移行後に急に増える「404」「サーバーエラー」などの兆候を早期に見つけるのに役立ちます。GA4や広告タグは、ページ上でタグが発火しているか、リアルタイムでイベントが入っているかを確認しておくと安心です。

  • noindex:移行用に付けたnoindexが残っていないか(特に全体設定)
  • canonical:自己参照のcanonicalになっているか(別ドメインやhttpになっていないか)
  • Search Console:クロールエラー、404、サーバーエラーの有無を確認
  • GA4:リアルタイムで計測できるか(参照元/ページビューが入るか)
  • 広告タグ:Googleタグ/コンバージョン等が動いているか(タグ診断で確認)
  • サイトマップ:送信URLが変わっていないか、生成が正常か

失敗しやすいポイントとトラブルシューティング

WordPressのサーバー移行は、手順通りに進めれば高確率で成功しますが、それでもトラブルが起きるときは「よくある原因」に集中します。特に多いのは、環境差(PHP/権限/WAF)、DB接続、HTTPSまわり、そして「旧サーバーの名残り」です。

ここでは、移行直後にありがちな症状を「原因の当たり」から逆引きできるようにまとめます。焦ったときは、まずキャッシュを疑う→エラーログを見る→wp-config.phpと権限を見る、という順番で切り分けると迷いにくいです。

  • 真っ白/500/DBエラー:PHP・権限・DB接続・WAFの典型
  • 画像やCSSが出ない:URL混在(http/https)・パス・権限・キャッシュ
  • 遅い/不安定:キャッシュ設定・PHP・DNS/IPv6・外部連携の影響

真っ白/500/DB接続エラーの典型原因

移行後にアクセスして「画面が真っ白」「500 Internal Server Error」「Error establishing a database connection(DB接続エラー)」が出る場合、原因はだいたい絞れます。まずはDNSが新サーバーを向いているかを確認したうえで、新サーバー側で切り分けます。

500系はPHPや権限、.htaccessの不整合が多く、DBエラーはwp-config.phpの設定ミスが多いです。特にDBホストは「localhost」ではない環境もあるため、旧サーバーと同じだと思い込まないのが安全です。

  • DB接続情報の誤り:wp-config.php の DB名/ユーザー/パスワード/ホストが新サーバーと一致していない
  • PHPバージョン差:旧では動いたテーマ/プラグインが新PHPで致命エラー(真っ白)
  • 権限:wp-content/uploads や cache が書き込み不可でエラー
  • .htaccessの不整合:旧環境用の記述が新環境でエラー(特に特殊リダイレクトや認証)
  • WAF/セキュリティ:管理画面ログインやREST APIがブロックされる
  • キャッシュ:プラグインやサーバーキャッシュの影響で旧状態が残る

まず試す対処の順番は、(1)キャッシュ無効化(2)プラグイン一時停止(3)エラーログ確認です。プラグイン停止は「pluginsフォルダ名を一時的に変える」方法でも切り分けできます。ログが見られる場合は、致命エラーのファイル名や行番号が出るので、最短で原因に当たれます。

  • キャッシュ:サーバーキャッシュ/ブラウザキャッシュ/プラグインキャッシュを一旦クリア
  • プラグイン:キャッシュ・セキュリティ系を中心に一時停止して表示確認
  • ログ:サーバーのエラーログ、WP_DEBUG(必要なら一時的に有効化)で原因特定
  • wp-config.php:DB設定、文字コード、prefixなどを見直す

画像が表示されない/旧サーバー参照が残る問題

「ページは出るけど画像だけ出ない」「CSSが当たらない」「一部リンクが旧サーバーへ飛ぶ」などは、移行で非常に多い症状です。原因は大きく分けて、(A)パスや権限(B)URLの混在(http/https、www)(C)キャッシュ/CDNの3つです。

特に「旧サーバー参照が残る」ケースは、外部URLがコンテンツ内に保存されていたり、テーマ設定・ウィジェット・プラグイン設定に旧情報が残っていることが原因になります。ドメインが変わらない移行でも、http→httpswwwあり/なしの統一を変えた場合は要注意です。

  • アップロード権限:wp-content/uploads が読める/書けるか(403が出る場合は特に)
  • 混在コンテンツ:画像やCSSが http のままで、httpsページでブロックされる
  • URL統一:wwwあり/なし、末尾スラッシュ等の統一方針に合わせてリダイレクトを整備
  • キャッシュ/CDN:Cloudflare等を使っている場合、古いキャッシュが残っている
  • 検索置換:必要ならDB内のURLを置換(ただしシリアライズ破壊に注意)

まずはブラウザの開発者ツールで「どのURLが失敗しているか」を見て、404なのか403なのか、httpが混ざっているのかを判定すると一気に近づきます。原因が分かれば、権限修正、https統一、キャッシュ削除、DB内URLの修正など、打つ手が明確になります。

移行後に遅くなった(キャッシュ/設定/WAF等)

「移行したら表示が遅くなった」「管理画面が重い」は、移行直後に意外と多い相談です。新サーバーが必ず速いとは限らず、キャッシュ設定が外れていたり、PHPバージョンやOPcache設定、画像最適化、WAFの検知などで体感が落ちることがあります。

まずは「いつ遅いか」を切り分けます。トップだけ遅いのか、全ページ遅いのか、管理画面だけ遅いのかで原因が違います。加えて、DNS浸透中に一部が旧サーバーへ行っていると「速かったり遅かったり」に見えることもあります。

  • キャッシュの有無:サーバーキャッシュ/プラグインキャッシュが効いているか
  • PHP設定:バージョン、OPcache、memory_limit、実行時間制限
  • WAF/セキュリティ:誤検知でAPIや管理画面が遅くなることがある
  • 外部連携:フォント、計測タグ、SNS埋め込み等がボトルネックになることも
  • 画像最適化:WebP/圧縮、遅延読み込み、CDNの設定を確認

速度の問題は「感覚」だと迷子になりやすいので、ページ速度計測やサーバーのアクセスログを見ながら、重い原因(TTFB、画像、外部JS)を特定して対処するのが近道です。移行直後は設定が初期状態に戻っていることも多いため、旧サーバーで有効だった高速化(キャッシュ、圧縮、画像最適化)を新サーバーでも再現できているかを確認しましょう。

 

ここまで試しても改善しない場合は、環境差(PHP/権限/WAF/DB)を含めて一括で切り分ける方が早いことがあります。作業が不安なら代行/相談は下記記事をご覧ください。

 

サーバー移転代行|WordPress・メール・DNS/SSLまで一括対応

旧サーバーの解約タイミングと移行完了の判断

DNSを切り替えてサイトが表示できたとしても、すぐに旧サーバーを解約するのは危険です。DNS浸透中は一定時間、旧サーバーへアクセスするユーザーが残る可能性があり、フォーム送信や注文、メール通知などが絡むサイトでは「取りこぼし」の原因になります。

旧サーバーの解約は、「移行が本当に終わった」と判断できてからが基本です。その判断材料として、アクセスログ(旧サーバーにどれだけ到達しているか)と、重要機能(フォーム・メール・計測・管理画面など)が一定期間安定しているかを確認します。

  • 旧サーバーはしばらく残す:浸透完了+不具合なしを確認してから解約
  • 判断はログと機能の安定:旧へのアクセスが減ったか、重要機能が問題ないか
  • バックアップは別保管:解約後に困らない状態を作る

旧サーバーを残す期間の目安とログの見方

旧サーバーを残す期間はサイトの性質で変わりますが、目安としては最低でも数日〜1週間は様子を見るのが無難です。特に、問い合わせフォームや予約、会員登録、ECなど「ユーザーの書き込み」が発生するサイトは、混在期間中の取りこぼしが起きやすいので慎重に判断します。

判断の具体策として有効なのが、旧サーバーのアクセスログです。DNS切替後も旧サーバーにアクセスが来ているなら、まだ完全に切り替わっていないユーザーがいる可能性があります。旧サーバー側のログが減っていき、一定期間ほぼ来なくなったら「浸透が落ち着いた」と判断しやすくなります。

  • 目安:静的サイトに近いほど短く、フォーム/EC/会員サイトほど長めに残す
  • 旧サーバーのログ:DNS切替後もアクセスが来るか(特に /wp-admin/ やフォーム送信)
  • 取りこぼし対策:旧サーバーのフォーム通知も一定期間だけ生かしておくと安心
  • 注意:自分のPCのhosts設定が残っていると、確認がズレるので必ず解除する

もし旧サーバーにアクセスが残り続ける場合、DNSレコードの見直し(wwwあり/なし、AAAAの残り、サブドメインの未切替)や、CDN/DNSサービス側の設定(プロキシ、キャッシュ)を再確認します。「どこか一箇所だけ旧のまま」が原因であることが多いです。

バックアップ保管と再発防止(自動バックアップ)

移行が安定してきたら、最後にやるべきは「解約しても困らない状態」に仕上げることです。旧サーバー上のデータが唯一のバックアップになっていると、解約後に不具合が出た場合に戻せません。移行完了の判断とセットで、バックアップの保管自動バックアップの仕組み化をしておくのがおすすめです。

具体的には、手元(PC)だけでなくクラウドなど別の場所にバックアップを置く、バックアップが「本当に復元できるか」を想定する、新サーバー側で自動バックアップが動くようにする、という3点が重要です。これができていれば、旧サーバー解約の心理的ハードルが一気に下がります。

  • バックアップを別媒体へ:PC+クラウドなど複数箇所に保管
  • フルバックアップの定期化:DB+wp-contentの両方が自動で取れる仕組みを作る
  • 復元の想定:いざという時にどこから戻すか、手順が分かる状態にしておく
  • 更新頻度に合わせる:更新が多いサイトほどバックアップ間隔は短く
  • セキュリティ:バックアップも個人情報を含むため、保管場所の権限管理に注意

最後に、旧サーバーの解約前に「更新・送信・計測」が一通り安定していることを確認できたら、移行は完了です。旧サーバーは解約してもよい状態になりますが、可能なら契約更新の締め日(課金タイミング)も踏まえて、余裕を持って解約すると安心です。

まとめ:最短で安全に移行するためのチェックリスト

WordPressのサーバー移行をドメインそのまま(URLを変えずに)行う場合、成功の鍵は「手順の順番」です。王道は新サーバーに複製して先に動作確認し、最後にDNS(A/AAAA/CNAME)を切り替えること。これだけで停止時間とトラブルを大きく減らせます。

最後に、作業当日に迷わないためのチェックリストをまとめます。全てを完璧にやる必要はありませんが、最低限の項目(DNS/バックアップ/動作確認/切替後チェック)だけでも押さえると安全です。

  • 現状把握:DNS管理先、対象ドメイン(wwwあり/なし、サブドメイン)、現サーバー情報(PHP/DB/設置場所)をメモする
  • フルバックアップ:DB+wp-content+wp-config.php+.htaccess等を取得し、別媒体にも保管する
  • TTL短縮:可能なら事前にTTLを短くして、切替後の混在時間を減らす
  • 新サーバー準備:PHP/DB/権限/ドメイン設定を整え、WordPressの受け皿を作る
  • データ移行:ファイル一式(特にwp-content)とDBを新サーバーへ複製する
  • DNS切替前テスト:hosts等でURLを変えずに表示・ログイン・主要機能を確認する
  • SSL/HTTPS整備:証明書発行、http→https、www有無の統一、混在コンテンツを確認する
  • DNS切替:A/AAAA/CNAMEを新サーバーへ変更し、反映状況を複数回線で確認する
  • 切替後チェック:表示、404、画像、管理画面、フォーム通知、メール送信、GA4/タグ、noindex/canonicalを確認する
  • 旧サーバー解約判断:旧サーバーのアクセスが減ったことと、一定期間安定稼働を確認してから解約する

サーバー移転の全体の流れは下記記事で解説しています。

サーバー移行(引っ越し・移転)の手順を完全解説|失敗しない全体像とチェックリスト

作業が不安なら代行/相談を紹介した下記記事をご覧ください。

サーバー移転代行|WordPress・メール・DNS/SSLまで一括対応

(※本ページはプロモーションが含まれています。)

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