「お客様は神様」って・・・そんなわけない。 16.01.06  (更新: 

「お客様は神様」って・・・そんなわけない。

「お客様は神様」という言葉を耳にすることがあります。
お客様は本当に神様みたいな崇めるような存在なのでしょうか?

マーケティング的観点からみると横柄な態度のお客様やクレーマーといった厄介な客にも公平に接していると売上速度は確実に落ち込みます。

誹謗中傷などが立たないよう、また優良客の手前、丁寧な対応をする建前は必要です。接客業などの場合はなおさらですね。

確かに「経営はお客様が握る」という考え方もできますが結果論であり、マーケティング的には顧客は選択すべきで「優良客を増やす」ことが効率的に売上を伸ばすためには重要になってきます。

コトラーの顧客第一主義は「優良顧客第一主義」です。

企業や商店がニーズに合ったサービスや商品を提供することでお客様の「困った」を解決し、満足してもらう、その対価としてお金を頂くということがお客様にとって「良い企業や商店」であるといえます。

お客様を大切に思うことは必要ですが提供する商品やサービスの対価という意味ではイーブンな関係がお互いにとって理想的です。

つまり提供されるサービスや商品に満足している(必要性を感じている)優良顧客は「お客様は神様」というような関係性は望んでいないはずなのです。

「お客様の幸せ」を提供できない企業や商店の場合、「過度なごますり営業」で横柄な客しか相手にできない状況から「お客様は神様」のような存在になっていたり、もしくは強引な営業による押し売り的な不安定な経営状況に陥っていることが考えられます。

頑固おやじのラーメン屋が選択する優良顧客

スープまで飲まないと怒られるという美味しくて有名な頑固オヤジのラーメン屋の話を聞いたことがあります。

お金を支払ってその対価としてサービスを受けるのは当然の権利ですので気分の悪い対応され期待通りのサービスを受けられないのであれば返金してもらうべきですし、反発心からクレームにもなり評判が落ちることも予想できます。

あまり一般的でない店独自のマナーがあるのであれば注文する前、入店する前などに予め客が求めるサービスなのかどうか分かるように説明が必要ですね。

しかし、やり方に多少問題があったとしてもラーメン屋のオヤジが「客を選択する」という思考は実はマーケティング的には理に適っているともいえます。

これは圧倒的な味のクオリティやブランディングなどの差別化ができ「特定の顧客に幸せを提供できている」場合には強烈なファンが生まれる可能性があるからです。

その特定の顧客こそがこのラーメン屋にとって経営を支える「優良顧客」ということになります。

(※優良客を逃さないために、その他の顧客に売らない戦略を「選択的デ・マーケティング」と言います。京都の料亭の一見客をお断りするのもこの選択的デ・マーケティングです。)

「お客様は神様」の出所は?

「お客様は神様」、出所は歌謡歌手の三波春夫さんの言葉のようです。
三波さんにとってのお客様とは「聴衆・オーディエンス」のことで一般に言う企業や商店のお客様とは意味が違います。
(参考:http://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html

お客様とはどういう存在?

それではお客様(優良顧客)とはどういう存在なのでしょうか?

WEBase的マーケティングではお客様は「神様」などではなく大切な「友達」と考えます。

友達であれば友達のために役に立ちたい、困っている事や悩みを解決してあげたり親切にして喜ばせてあげたいと思うのは当然ではないでしょうか?

つまり友達である顧客に対して、自然と一生懸命に良いサービスや商品を提供したいと感じるようになるはずです。

「お客様は神様」というと何か「お客様に養ってもらっている」みたいな感覚になりますがお客様は事業者を養いたいなんて思っているはずがありません。

前述しましたが、優良顧客は「お客様は神様」というような関係性は望んでいません。

お客様はサービスや商品が提供されることによる「幸せ」の対価としてお金を支払いたいのであり提供される商品やサービスで「幸せ」が得られないのであれば購入したいとは思わないので客にはなりません。

「お客様は神様」というよりもう少し対等な立場、「友達」であるべきではないでしょうか。

(専門性のある業種によっては逆にお店や企業側が上の立場、「顧客の先生」であることが優良顧客には求められているかもしれません)

また、お客様から見てもお店や企業は「友達」ですのでフォロー営業にも同じようにこの顧客心理を利用することができます。

マーケティングではフォロー営業の基本は「セールスするのではなく気遣いやお伺い」です。DRMやリードナーチャリングではよく耳にしますね。

何かお願いする時(商品を買ってもらいたい時)だけ電話してくる友達なんて嫌がられても当然といえますのでまずはDMや電話、訪問などで気遣いやお伺いをし、コミュニケーションを持ち続けることで信頼関係を築いていくことが重要です。

信頼を得ることでお客様の信頼できる親しい友達、「親友」となり、お願いごと(セールス)にも耳を傾けてくれる可能性も高くなります。

お客様は「神様」ではなく「親友」と捉えましょう。

(※本ページはプロモーションが含まれています。)

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